JAXA宇宙科学研究所で開催された「第18回 宇宙科学シンポジウム」に参加してきた.
その中の企画セッションで,「JAXA (ISAS) はお金がない.外部資金獲得を請う.」と宣言され,はぁ? となった.
よくよく聞いてみると,思ってた以上にお金ないんだなぁ....と.
帰宅後もう一度調べてみたら,今日出た話はほとんど公開されている資料に記載があったので,備忘録を残しておく.
JAXAの予算規模はNASAの1/10,ESAの1/4.
によると,軍事費なども含めた国別宇宙政策予算は,日本が3000億円,米国が4.5兆円,欧州が7000億円規模となる.
そして,主にISAS(宇宙科学研究所)が担う宇宙科学プロジェクト関連予算は190億円である.
今後10年で,300億円規模の中型ミッションを3回,100~150億円規模の小型ミッションを5回実施する計画.
その他小規模なプロジェクトとして,国際プロジェクトへの出資などに年10億円.
たとえば,ESAのJUICE(木星氷衛星探査計画)用に観測機器を数10億円で開発するなど.
これを合わせると,10年で約1750億円,つまり175億円/年.
宇宙科学プロジェクト予算は190億円であり,残りは現在運用中のミッション経費ですべて飛ぶ.
基礎研究費用や,将来のミッションを見据えた初期検討費用がないじゃん.
今日もどなたか,
「今の基礎研究がISASの10年後をつくる.」
とか,
「初期検討をしっかりしないと,ミッションの予算は計画段階の見積もりを大きく超過する傾向にある.」
とか言ってましたよね.
そこで國中さんはこう言い放った.
「JAXA (ISAS) はお金がない.外部資金獲得を請う.」
比較.
海外では,JAXAが300億円ミッションやってるスパンで1000億円ミッションをやり,JAXAが150億円ミッションやっているスパンで500億円ミッションをやる.
(1000億円ミッションといいつつ,ESA RosettaもNASA MSLも3000億円級.)
ここまで格差あると,どうしようもないでしょ.
今日も大和魂的な発言していた人いたけど....
そういえば,NASAのJWSTは1兆円超えるらしい.
一昔前,「ノーベル賞級の実験装置の建造費は5000億円級になってしまう.」という話を聞いた.
いま,ふと考えてみると,
JWST(ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡) | |
ITER(国際熱核融合実験炉) | |
ILC(国際リニアコライダー) |
ってすべて建造費,5000億円どころか,1兆円超えてるよね....
人間のより高性能な実験装置が欲しいという欲望にキリはあるんでしょうかね?
日本も,予算の1/3を社会保障費に使うんじゃなくて,こっちにも投資して....
Fumikazu Shinozaki [2020/02/22 04:29]
前に関係した仕事で、極低温に数年間おいた後、モータが動作することを保証するためにメーカにシミュレーションデータを提出させました。
この書類一枚で200万貰ったことがありました。メーカのシミュレーションなど余りあてにならないのに随分と簡単に金を出すものだと思いました。
モータを購入してから、JAXA自身で低温試験をやれば良いのにと思いました。
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