フルスタックエンジニア()を目指すために,今まで(ある意味で)避けてきた回路設計に挑戦しています.
これまで,簡単なものをブレッドボードやユニバーサル基板で実装したことはありますが,
人生で初めてちゃんとした基板を一人で,回路設計→基板設計→部品選定→発注→ソフトウェア実装 までをやりました.
実際に自分でやってみると,いろいろ失敗もありましたので,備忘録として簡単に記しておきます.
これまで自分で簡単な回路を組むときは,まず頭の中で適当にイメージし(単純な回路なので頭の中で処理できる),適当に素子を選び,秋葉原で素子を買い,そのデータシートをみながら必要な抵抗やコンデンサを仕入れ,そしてブレッドボードで動作確認,必要ならばユニバーサル基板で実装,という感じでした.
今回はPCB基板の製造のみならず,その素子の実装まで外注してみたので手元のブレッドボードで動作確認できない & そもそもICチップはブレッドボードにささらない,などという状況で,えいやで設計して,ガーバーデータとお金を発注先に送って,完成品が届くのをひやひやしながら待つという感じでした.
PCB設計ソフトはAutodesk EAGLEを(Autodesk製品は学生は無料で使えるので.ありがたい.)用い,基板製造と素子実装はP板.comに外注しました.
一番のミス.
このマイコンをスルーホールで実装する計画でした.
しかし,発注後しばらくして,P板から
■部品と基板実装位置のサイズが異なり、実装できかねる箇所がございます。
部品表No:8
配置番号: IC1
※DIP部品と取り付けのピッチが違います。
と連絡が.
めっちゃ冷や汗でますよね.数万払ってあって,しかも実装段階ということはPCB製造はすでに終わっている段階.
これでおじゃんだと,お金,時間,(信頼?),もろもろがパーです.
図面を確認すると,DIPのピッチではなく,2列のピン間距離が間違えていました.
「その部品は未実装で送ってください」と連絡し,届いたのがこれ.明らかに幅が広い(笑)
無理やりだけれど,足を曲げて,(スルーホールだけど)表面実装っぽくやれば,なんとかなる??
表面実装のハンダとかしたことないけど,まあしゃあないのでつけてみました.
ハンダののりわるいし,これ以上ミスれないので,初めてフラックス使いました.
フラックス,すごいですね,なんで今まで使わなかったんだろ,ってくらい,スムーズにつけれます.
ハンダが溶けない溶けないとコテを当てすぎて高温で素子を壊すなんてミスが減りそうです.
仮つけしたあと,マイナスドライバで足を押し付けながら再びハンダを溶かすと,なんとかなりました.
簡易動作確認もでき,ハンダミスで壊したくないので,とりあえず未使用ピンは未実装状態です.
裏側はこんな感じ.相変わらずハンダ付けが下手だ....
なんとか裏側にもハンダが流れてくれました.
やはり,GNDと電源ラインは熱が逃げるせいか,半田の溶け,流れが悪いんですが,どうすればいいんでしょうかね?
フラックスを塗りまくったせいで,基板がベトベトになりました.
基板を水で濡らすのは若干抵抗があるのと,まあきっとアルコールと親和性いいやろ(適当)と思い,エタノールで拭き取ったら結構きれいに拭き取れました.
この処置は果たして適切だったのだろうか....(あとで調べたところ,フラックス洗浄剤なるものが売っているようで,その主成分もアルコールだったので,まあ...?)
このミスの直接的な原因は,回路設計時のフットプリントの設定ミスでした.
EAGLEで回路設計するときには,ライブラリから素子を選んで,それに回路図を組むと,配線デザイン画面でもそれが反映されるという仕様なのですが,デフォルトのライブラリは使えるものがほぼありません.
そのため,適当にネットで素子名っぽい名前のEAGLEライブラリをダウンロードして使っていたのですが,それがおかしかったようです.
それをTwitterで言ったところ,このような返信がありました.
実際のサイズで紙に印刷して
— 皐月@グリップテールポイのまえけん (@KENrobo0432) April 25, 2019
パーツ合わせるとミス減るですよ
なるほど....
ちっこい基板を,大画面で拡大して配線していると,スケール感覚狂うんですよね.
さらに単位系がmilとかで,もっとわからなくなる.
次からはそうします.
これも,スケール感覚が狂うことによるミスでした.
初回発注後に,このようなメールが届きました.
■シルク文字や図形のサイズ(実寸)が不足しております。
印刷の潰れ、掠れ、消失が懸念されます。
以下URLをご参考に、文字の高さと線幅を調整頂けますでしょうか。
https://www.p-ban.com/about_pcb/guideline/point_product.html#point8
【実寸とは】例えば文字サイズをCAD上で1.0mmに設定した場合、
多くのCADでは、文字そのもののサイズではなく領域指定の意味を持ちます。
1.0mmの領域にフォントを入れるため、実際の文字サイズは1.0mm未満になります。
特にアルファベット小文字や記号は更に小さく潰れやすくなってしまいます。
狙いサイズよりも大きめに設定頂くことで解消が見込めます。
え? だってP板が出してるDRC(デザインルールチェック),ちゃんと通したんだけど?
って思いましたが,確認すると「C1」みたいなシルクがありえん小さくなってました.(10milとか.)
DRCではそこまで見てくれないんですね.
あと,冷静に10milのシルクとか見えないだろ....
やっぱ,先程のアドバイスどおり,一度実寸で印刷して確認,はするべきですね.
■外周はルーター加工となるため、幅1.0mm未満の切り欠きには
ルーターが入り込めず加工ができません。
切り欠きは最低1.0mm以上の幅を確保頂けますでしょうか。
尚、最近は2.0mmのルーターが主流となっておりますので、
できましたら切り欠き幅も2.0mm以上をお勧め致します。
という指摘もありました.
これは,micro USBの端子を逆向きにつけるために必要そうだったので,切り込んでいました.
というのは,
のように,台形の長辺が基板側にくるような端子を基板側にしたのですが,この場合,USBのオス端子の爪が基板にあたる(たぶん)ので,それを回避するために切り込みを2本入れていたのです.
これもDRCに引っかからなかった....
DRCでチェックできるものとできないものをちゃんと把握すべき & 発注における注意点をちゃんと把握すべきですね.
EAGLEを使っていて一番思ったのがこれで,フットプリントの合うライブラリを自作するか,どこかから拾ってくるかしないと回路設計が始まらないんですよね.
いろいろ試行錯誤した結果,SparkFunのライブラリ
GitHub sparkfun/SparkFun-Eagle-Libraries
が一通りそろっていて使いやすかったです.
EAGLEにはAutorouterによる自動配線機能がありますが,どう見てもこれ非効率やろ,,,みたいな配線をしてくれます.
(設定の問題の可能性もある?)
結局はほぼ手動配線でやってしまいました.
パターン設計,グローバル最適化って可能なんですかね?
結局の所,どこで妥協するか,な気分になって妥協しました.
電流ラインは太めに,電圧ラインは細くても良い,などということをよく聞くので,最初はかなりコンサバに配線太さを設定していました.
しかし,基板をできるだけ小さくしたい場合,配線の太さはかなりインパクトが大きいことがパターン設計しているとわかりました.
一番大きかったのは,DIPピンの間を通れる配線ができるかどうかです.
これができないと,スルーホールのピンの列を超えるために,ぐるっと回り込まないといけません.
それもあって,当初のコンサバ設計は諦めました.
また,結局微小なICの足付近は,どうしても電流ラインも細くせざるを得ませんでした.
まあ,足がそれだけ微細,ということは,その素子の食う電流はそこまで大きくないので問題はないんでしょうけれど.
最後,発注するときはガーバーデータにして入稿するわけですが,EAGLEもKiCadも純粋なガーバーデータビュアーを持っていないんですよね.
もちろん,ガーバーデータは開けますが,開いた瞬間にそれぞれのソフトの独自フォーマットへ変換されてしまって,本当に正しくガーバーデータが吐けているか,心配になります.
結局,フリーのWebアプリである
を使いましたが,かなり使い勝手が悪いです.
確認だけでいいので,さくっと見えるものってありませんかね?
次に回路作るとき(果たしていつになるのか?)はもうちょっとうまくやりたいですね.
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