事象発生日:2019-09-25
記事公開日:2019-10-10
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2週間前,所属研究室に関連する3U CubeSatが2機打ち上がる (ACT-D, RWASAT-1) ので,H-IIBロケット8号機の打ち上げを見に行ったのだが,まさかの発射台炎上で打ち上げ中止に.
そのリベンジとして,再び種子島を訪れた.
ロケット | H-IIBロケット 8号機 | |
ペイロード | こうのとり8号機 (HTV8) | |
打ち上げ日時 | 2019年9月25日1時5分5秒 | |
投入軌道 | LEO.ISSと同じ軌道面かつ位相な,ISSにランデブー可能な軌道 |
深夜打ち上げ.
撮影のことを考えると,極めて厳しいが,夜打ち上げは珍しい.
HTVの打ち上げ時刻はISSの位相に依存するので深夜のこともあるが,LEOへの衛星投入の大半を占める太陽同期では,日中に日本上空を通過するよう,昼間に打ち上がる.
そう考えると,夜間打ち上げは深宇宙探査かHTVかくらいで,貴重である.
実際,深夜打ち上げはとてもきれいだった.
■ カメラ
写真用として:FUJIFILM X-T3(シルバー) | |
動画用として:FUJIFILM X-T30(シルバー) |
■ レンズ
写真用として:XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS | |
動画用として:XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS |
その他,打ち上げ以外で
XF10-24mmF4 R OIS | |
XF16mmF1.4 R WR | |
XF35mmF1.4 R |
などを使用した.
燃料注入前の立ち入り規制前に,近くまで行った.
相変わらず,ロケットの丘展望所からの眺めは絶景.
最も間近で見れえる中型ロケット発射場跡へ.
"Air Liquide",ガス会社か.流石にこいつで液酸液水運んでいるわけじゃぁないよな...?
近くに漁船かなにかが.
巡視船じゃなさそうなので,見物か?
洋上から間近で見物,いいなぁ.
今回は2週間前は行かなかった,種子島宇宙センター中心部へも.
湾を挟んで射点が見える.
VABと射点が.
ここからだと移動の様子がよく見えるらしい.
にしても,綺麗すぎないか....
入道雲の明るい部分が海にも反射して見えるの,普通に感動する.
ご視察所から.
長谷展望公園で待機.
先輩のα7R IVと僕のX-T3.
今回は先輩と2人で来たのだが,どうやらこの日のためにα7R IVを買ったらしい.
だんだん人も集まってきた.
やはり,再打ち上げだからか,2週間前に比べて人は少なめ.
星がめちゃくちゃ綺麗だったので撮ってみたが,どうしても明るくライトアップされてる射点がまるで爆発したみたいに飛んでしまう....
夜の打ち上げ.
ロケットの閃光は極めて明るく,ロケット本体は極めて暗いと予想.
スポット測光も考えたが,即応性も考えて今回はフルマニュアルで撮影することにした.
明るさを計算し,ISO 640固定のマニュアルでセット.
広場ではカウントダウンの音声が流れ,最後の3,2,1はそこら中から声が.
点火直後.
大歓声.
めちゃくちゃ明るい.
想定より数段明るかった.
慌ててマイナス露光へ修正.
人間PID制御(まあP制御だが)というもの,当たり前のようにオーバーシュートする.
露光下げすぎた.
まあ,下げすぎたおかげか,火炎と煙はいい感じに写っているが.
EXIFの参照EV値を見るとよく分かるが,カメラの露光計は当てにならない.
フルマニュアルで撮ってよかった.
せっかく生でみてるので,この後しばらくはファインダーから目を離し,肉眼で見物.
上がる.上がる.
ここらへんで,もうロケット本体に露光を合わせるのを諦めた.
打ち上げおよそ20秒後,ロケットが雲に入ったのか,突如周囲が明るくなった.
それと同時に,ものすごい爆音が.
ゴゴゴゴーー,というより,バキバキバキーといった破裂音だった.
背景の星を写そうと,手持ち長時間露光.
盛大にぶれてる.
でも,今回の一番のお気に入りショットかも.
しばらくして,ロケットは目視では点となり,手前から奥に飛行していることもあり,天球上でほぼ動かなくなった.
ほんの数十秒前に閃光とともに打ち上がったロケットは,まるでお星さまのようになった.
その後,SRB-Aの燃焼が終わり,目視でもうっすら,あー,分離した? というのが見え,さらにメインエンジンカットオフ,セカンドエンジンイグニッション,と続いた.
ぼーっと見守ると,HTVの分離がアナウンスされ,ばらばらと人が帰り始めた.
僕と先輩は,しばらく余韻に浸っていた.
ちなみに,サブカメラで撮った4K動画はこれ.(Twitterにあげている時点で4Kではなくなっているが....)
打ち上げ後約1分間の動画です.
— 溶けかけてるうさぎ (@_meltingrabbit) September 25, 2019
(ロケットの音のみならず,僕と先輩のはしゃいでる声がうるさいので,音声はなしですw)#H2B #H2BF8 #HTV8 #こうのとり8号機#種子島#XT30 pic.twitter.com/JeYRLy39t9
SRB-A分離前後の動画です.
— 溶けかけてるうさぎ (@_meltingrabbit) September 25, 2019
4K動画のクロップでFull HDにしてますが,もともとが換算80mm程度なので,めっちゃちっちゃくしか写っていない...
(26~34秒あたりがわかりやすい)#H2B #H2BF8 #HTV8 #こうのとり8号機#種子島#XT30 pic.twitter.com/NTpDz0mLqQ
実は,打ち上げを見ること自体はこれで3回目である.
1回目は2017年3月17日,H2A 33号機を屋久島から.
2回目は2018年2月27日,H2A 38号機を内之浦から.
ともに,種子島からはそこそこ距離があり,音は聞こえなかった.
今回は,初めて間近で,そして夜間打ち上げということもあり,とても印象的だった.
こうなると,また見に来たくなる.
ところで今回は,打ち上げの責任が三菱重工に移管されてから初打ち上げであった.
三菱重工は “オンタイム打ち上げ” をアピールしているが,全然オンタイムじゃないよね....
ご要望の日に確実に,どんな貨物も,どんな軌道へも. とは.
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