人工衛星の運用のために,第一級陸上無線技術士(1陸技)の国家資格を取りました.
実は運用だけなら,(後述する)2陸技や1陸特で良かった説があるのですが,どうせとるなら一番上を,ということで.
トップ画像のように,無線従事者はICT社会のスペシャリストらしいです(?).
無線従事者(陸上)の資格は、主として陸上の無線局の無線設備の技術的な操作を行うためのものであり、この資格には、第一級陸上無線技術士と第二級陸上無線技術士があります。
【第一級陸上無線技術士】
放送局、電気通信業務用等の固定局、無線測位局等すべての無線局の無線設備の技術的な操作を行うことができます。
というもの.
無線従事者の資格は以下のように色々あるのですが,通信操作の最高資格は第一級総合無線通信士,そして技術操作の最高資格がこの第一級陸上無線技術士となるようです.
したがって,今回この1陸技を取ったので,一部のドローンの操作などに必要な3陸特や4アマはすでに内包されている,ということになります.
上の図を見て,1~3アマは含まれないのか...,と思うのですが,これは1陸技の資格取得要求に,1~3アマにある「国際法規」と「モールス符号に関する知識」が入ってないからのようです.
逆に,1陸技は技術操作に関しては最高資格であるので,あと1総通用の「法規」「英語」「地理」を合格すれば,1総通を取得でき,めでたく無線従事者すべての資格を網羅できることになります.
1陸技に必要な試験は,「法規」「無線工学の基礎」「無線工学A」「無線工学B」です.
(無線従事者)試験の水準は大学の電気工学関係学科卒業程度と言われるが、一陸技の出題範囲、出題傾向は他の大学卒業程度の無線従事者国家試験とかなり異なっており、無線工学の基礎、無線工学A、無線工学Bの実質的な難度は最高とされている。
だそう.
一般的には,理論重視の「無線工学の基礎」あたりが最難関で,もっぱら暗記のみである「法規」が一番簡単らしいのですが,個人的には理論的に導出できる部分は覚えなくていいので簡単派なので,逆でした.
法律の条文とか覚えられないでしょ....
研究室にあった数年前の参考書で勉強していたら,法律が改正されており,試験で全く準備してない範囲が出てきてびっくりしました.
例えば,地上デジタル放送や公共無線LANなどです.
使ってた参考書は,アナログ放送の時代のものでしたので...(笑)
結果としては,
「法規」→ 3日くらいがんばった
「無線工学基礎」→ ぱらっとみたら大学の電気系授業でだいたい網羅できている気がしたので無対策
「無線工学A」→ 一夜漬け
で良かったのですが,「無線工学B」が意味わからないほど多様多種のアンテナについての特性や導出不可能な経験式・近似済みの式を覚えなくては行けなくて,一夜漬けでどうにもなりませんでした.
この国家試験,定義から導出して理解して問題を解くのを好む人間にとってつらすぎる...
— 溶けかけてるうさぎ (@_meltingrabbit) January 13, 2020
””ポイント””として書いてあることは理系大学生的には自明であって,それよりむしろ,そこでいきなり出てくる謎の式の導出を教えてくれ...ってなる.
こういう数多の式を暗記しないといけないのは苦痛. pic.twitter.com/7g5UNAqgUq
というわけで,2回めのチャレンジは方法を変えて,過去問を過学習する方法へ.
1回めは過去問を一切解かなかったのに対して,今回は過去問5回分を4周くらいやって試験へ.
結果としては,124点/125点 だったので,完全にオーバーキルでした.
うーん,勉強って,大事なのは原理原則なので,過去問に慣れるよりも参考書を読んで理解していく方が好む,というか身につくはずなんですけど,資格試験の突破を第一に考えると,こういう方法が効率良くなっちゃうんですかね....
申請書,住民票,手数料などを提出し,3週間程度で免許が届きました.
この免許証,めちゃくちゃかっこいいので見て欲しいです.
光を当てる方向によって,背景が変わってきれいです.
無線従事者の最上位資格の一つ、第一級陸上無線技術士の免許が届いたんだけど、免許証がめっちゃかっこいいから見て(笑)
— 溶けかけてるうさぎ (@_meltingrabbit) March 20, 2020
光の当て方で模様が全然違う! pic.twitter.com/Uf3s6dKFQa
マクロレンズで撮影したので,チリが写っていて汚いですね....
ちゃんと拭いてから撮ればよかったです.
そんなわけで,どんなに出力の大きな無線設備でも使えるようになったので,ばんばんエネルギーを空間に放出していきたいと思います!
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