所属研究室は,研究室プロジェクトとしての衛星開発にかなりのエフォートを割かれ,自分の研究ができない,ということが定期的に問題として議題に上がる.
自分の修士課程を振り返ってみると,結局 “まともな” 国際学会に1本も通せなかったことは,残念でな点である.
反省もかねて,学部4年で研究室に配属されてからの研究,衛星開発,仕事のエフォートを振り返ってみた.
トップ画は,修士2年当時の僕のデスクである.
プロフィールページでの業績一覧で公開しているとおり,修士では “まともな” 国際学会で発表することができなかかった.
修士1年末にSSC (Conference on Small Satellites,通称 Small Satellite Conference) には出したものの,残念ながらリジェクトされた.
SSCは実際に動いているミッションや企業向けということもあって学生の研究は通りにくい,とか,丁度いい学会が2年に1度しかない,とか,SFMM (Space Flight Mechanics Meeting) が運悪く今年は他の学会とのジョイントだったためExtended Abstractの締め切りが無茶苦茶はやかった,とか,言い訳を上げればいくらでもあるが,結局はまともに研究が進んでいなかったのが原因である.
学会というものは開催当日のおよそ半年前にAbstractを出すといったスケジュールであり,これは学生の時間尺度からみるとなかなかしんどい.
つまり,成果が出てから少なくとも半年後に学会発表,となると,修士論文の直前にまとまって研究していると,修士では学会発表できなくなってしまうのである.
カレンダに登録されたスケジュールや様々なリポジトリのコミットログ,記憶などから,研究,衛星開発(研究室プロジェクト),仕事(バイト,インターン,副業など)のエフォートの推移をざくっと可視化してみた.
修士1年の間はほぼ研究できていないことがわかる.
まともに書籍や論文を読んだ記憶も無く,輪講前の2週間くらいで慌ててそれっぽいことをやっていた記憶がある.
修士1年の夏は,いくつかのインターンで平日の日中が潰れていた(インターン後大学に行ってMTGやら作業をしていたが,研究は何もしていなかった).
修士1年から2年前半は衛星開発の1つの系をまとめなければならず,ちょうど修士1年末から2年頭は様々な開発や試験の時期が重なっていた.
そのような状況であるので,修士の間に発表した学会の内容は,ほぼほぼ学部時代の貯金で食いつないでいたことがまじまじと読み取れる(というより,その成果をマイナーチェンジして出し続けた,というのが正しいか).
学部の研究がある程度きれいに着地してしまい,次の研究テーマを探すのにとても苦労した修士1年だった.
1年の冬になり,ようやく現在の問題点やテーマとなりそうな部分がうっすら見えてきて,修士2年の5月あたりからやっと実験系が構築できつつあった.
貯金を食いつぶして迎えた修士2年の宇科連(宇宙科学技術連合講演会)は,中途半端ではあったがこの実験の途中結果で出した.
そして,それをベースに出したIFAC (IFAC World Congress) は,無事Acceptされ,これが最初の “まともな” 国際学会発表になりそうである.
修論を無事終え,ネタが多少はできたので,修論前半をIFAC Full Paper,後半をASC (Astrodynamics Specialist Conference) に出そうと思っている.
そして,純粋にSSCは行きたいので,革新的なミッション提案という文脈で今年もSSCにはAbstractを提出した.
博士課程では,もう少し細かく成果を出していきたい.
しかし,細切れに成果を出すとうのは,かなり難しいのではないか,とも思う.
自分の性格による部分はあるのだとは思うが,解きたい問題があって,論理があって,結果がしっかり着地して,というストーリーがきれいに完結しないと “不完全” に見えてしまって,外部に出そうと思えなくなってしまう.
どうしたものか.
そういえば,完全に愚痴なのだが,,,
アメリカは何度も行ったことがあるのに対して,ヨーロッパは一度も行ったことがないため,AIAA主催の学会ではなくドイツで開催されるIFACは非常に楽しみであった(というか,それもあってIFACに出した).
しかし,昨今のコロナウイルスの影響で,今月末だったFull Paperの提出が延期され,さらに開催も危惧されている....
ドイツ行きたい....
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