毎年,GW は酒蔵をめぐり,一年分の日本酒を調達することになっています.
今年は佐渡島を制覇します.
記事中の味の表現に語彙力がないことは突っ込まないお約束.
2017 年から,GW は酒蔵をめぐっています.
酒蔵は GW の混雑とは無縁ですし,何と言っても 5 月初頭の気候が酒蔵を巡るには最適なんですよね.
2017 年は会津若松を,2018 年は諏訪を,2019 年は長岡・柏崎を,2020 年はコロナの影響で秋に富山・石川を,2021 年は記録も記憶も無いので,もしかして行ってない??,2022 年は 3 日まるまる使って灘の 14 蔵を,という感じ.
2018 年,2019 年はどうやらブログに書いてましたね.
今年は佐渡島です!
酒蔵を巡るのに欠かせないのは,国税庁『酒蔵マップ』です.酒税徴税のために様々な調査をするためなのかわかりませんが,どこよりも信頼性の高い情報がまとまっています.
それを見ると,清酒は 5 蔵,どぶろくは 2 蔵あることがわかります.どぶろく 2 蔵のうち「農業民宿 植えた」は酒蔵というより農業体験民宿なので除外して,この 6 蔵を 2 泊 3 日で巡ることを考えます.
6 蔵を地図にマップするとこんな感じ.佐渡島は結構で大きく,中央の平地を縦断する国道にはバスがある程度走っているものの,南北 2 つの山脈を越える移動には,車がないときびしい,という状況.試飲を考えると,車を使うタイミングは注意しなければなりません.
基本的な戦略は,初日に車を借りて,北部までドライブし, 1 蔵(佐渡発酵)を回収.そこで飲むと運転できないので,近傍で宿泊.2 日目午前になんとか 最南部の北雪酒造を回収し,その後はバスで中央の平地部分を可能な限り回収.3 日目は残りを回収.です.
それでは,旅の記録を,備忘録的にまとめます.
なお,道中のごはん屋さんの選定には,佐渡観光ナビの『サドメシラン』,『旅の夜に訪れてほしい飲み屋さんレポ』がめちゃくちゃ役に立ちました.
1 日目に,多少寄り道しながら佐渡島北部の佐渡発酵まで,営業時間(~ 17:00)に間に合うように行くためには,ジェットフォイルの運行時間を考えるとかなり早く東京を出発しなければなりません.
そこで出たアイデアが「前日夜に新潟入りして,適当に飲んで安宿で一泊し,早朝のジェットフォイルで佐渡島に渡ればいいのでは?」というもの.
学生時代には出なかったアイデアを前に,社会人になったなぁ~という謎の感慨に浸りながら,新幹線で前日入りです.
新幹線ってなんでこんなにテカテカなんだろう,っていつも思います.
新潟駅近くの「葱ぼうず」がとても良かったです.
飲んだお酒はこんな感じ.
阿部酒造の純米大吟醸「あべ」,なかなか甘めだが,1 杯目としてはとても良い口当たりのお酒.
笹祝酒造の純米無濾過「笹印」,辛口で食事にとても合うお酒.
村祐酒造の純米大吟醸「黒」,現代的で艷やか,黒というにしては,だいぶ甘く,白ワインぽいけど,ベトベトしてなくていい.
ジェットフォイルで新潟港から佐渡島の両津港へ.
ジェットフォイル,ボーイングだし水中翼船だし事実上の飛行機(?).1/2 ρV^2 S C_L の ρ のでかさを実感します(?).
元ラーメンの寿司屋のラーメンが旨いと聞いて.
地方の寿司屋は東京と比較して非常に安価に質の高い寿司がいただけるので,比較的よく行きますが,今回も当たりでした.
ずっと海岸線沿いを走っていてもつまらない & 高台から初手で佐渡島を俯瞰したいということで,大佐渡スカイラインを.
めっちゃ雲で視界不良でした(海岸沿いはきれいに晴れていたんですけどね).そして,佐渡ってこの時期でも全然雪が残ってるんですね.
雲の切れ間から,佐渡島のスケール感と,平地の様子を把握できました.
どぶろくの蔵です.
どぶろく,あまり飲んだ経験がないのですが,ヨーグルト的な酸味のするものから,これ絞ればいい辛口清酒だろ! ってものまでのグラデーションか感じられてとても良かったです.
7 度のどぶろくは自然乳酸発酵での酸味と微妙に残った炭酸を感じられ,12 度は酸味が落ち着き酒感が増し,19 度になるとなるほどねぇ.と.
生酒なので腹の中で 2 回めの発酵をして,「飲むと(中略)腰を取られて 4 本足であるく(=つまり泥酔)」だそう.
楽しい時を過ごせ,気になった品をいくつか購入です.
佐渡発酵から歩いて 15 分程度のところにある民宿です.というか,佐渡の北部,ここぐらいしか宿泊場所がなさそうです.佐渡発酵の近くで本当に良かった....
「佐渡発酵に来るためにここに泊まってます」というとだいぶ驚かれました.
佐渡はマフグがよく取れるらしく,マフグの刺し身に鍋に焼きに,と.朝はふぐのお茶漬けなどもあり,とても良かったです.
あ,もちろん飲んでます.加藤酒造の「天の夕鶴」を.食中酒としてとても良い味.
最速で宿を出発して,車で佐渡島を縦断,北雪酒造に向かいます.
この日にむりやり 4 蔵をめぐる予定,薄いバスを最大限効率的に乗れば,各蔵に 1 時間弱ずつ滞在し,4 蔵巡ることが成立する解がありました(もちろん one fail でアウト).
佐渡の南部にある酒蔵.予約してあったので,蔵見学もできました.
伺ったときは,ちょうど「大吟醸 YK35」を絞っていました.
また,超音波(たぶんピエゾ使ってそう)で振動を与えて熟成する保管庫や,音楽を聞かせる保管庫も入らせてもらいました.
一部のお酒は圧搾で絞るのではなく,遠心分離機で絞ることで,ストレスを掛けずに絞っているそう.
「北雪」シリーズは,順当にさっぱりめの辛口でおいしい.純米大吟醸も,遠心分離の大吟醸しては辛めではあるが,舌触りはだいぶ華やか.個人的には夏酒がとても爽やかで夏らしく,一番好きでした.
米焼酎もいただきました.焼酎はほぼ芋しか飲まないのですが,米にしては嫌な感じがせずに軽かったです.
YK35 は試飲できなかったので,購入.今日はこの後まだまだあるよな,とチキって買わなかった夏酒,買わなかったことを後悔しています....
両津港で車を返却して,ここからはバスと徒歩です.
まずは天領盃酒造.
店内はセレクトショップのようで,モダンでシュッとしている雰囲気.
試飲は 3 種類から選択可能で,1 杯 500 円.
「大吟醸 プレミアム」は米感強め,「店舗限定マル秘の日本酒」は荒々しい味で,酸強めでクセがあるけどぜんぜん飲める感じ.
全体的に若めなイメージのお酒でした.
酒蔵は,接客業の方ではなく,蔵で酒造りをしてる方とフレンドリに会話できて,いろいろと飲ませてくれる蔵が楽しく,そういった蔵では味の特徴や系統もよく分かるし,結果的にたくさん購入してしまします.そういった意味だとちょっとだけ物足りなさが残った蔵ではありました.
天領盃の近くにブルワリーがあったので,クラフトビールを.
やっぱり IPA はいいね,とか,黒ビールってこんなにコーヒーみたいだっけ,など言いながら胃をちゃぽちゃぽに.
路線バスを乗り継ぎ,尾畑酒造へ.
コロナで蔵見学は中止されていますが,蔵に入ると明るく出迎えてくれました.
なんと特別なお酒(いわゆる高級酒)以外はセフルで試飲し放題.
「真野鶴」シリーズ各種を試飲していきます.
大吟醸無濾過はわりととろとろ系でそれなりの甘さ.
辛口の大吟醸は,エールフランス機内酒だそうで,daily に飲めるお酒という感じ.
甘口の純米吟醸酒は,後味はたしかに甘めで,スッキリとした味わいでした.
有料試飲もすべて試飲.
「青空のむこう 純米大吟醸原酒」はあまあま.
「希望のとびら 大吟醸原酒」もあまあまだけど,青空のむこうよりもしっかりした味.
「龍のめぐみ」は口当たりがまるで水という感じだけど,後味の風味が最高で旨い,というか旨味がちゃんとある.
「蔵元限定 純米大吟醸原酒」は普通にストレートなうまさ,はい!原酒ってこうだよね!というところ.
「純米大吟醸酒 真野鶴 実来」はふわふわな感じでとても美味しく,
「磨 35 大吟醸 真野鶴 万穂」がここで飲んだもっとも美味しいと感じたキレのちょうどよい大吟醸という感じ.
めちゃくちゃ好きになったので,真野鶴 大吟醸,真野鶴 万穂,真野鶴・実来 をそれぞれ購入.
この日最後は加藤酒造です.加藤酒造だけ,18 時まで営業しており,本当に助かりました.
ここはなんと,勝手に注いで勝手に飲めやスタイルで,最高のそれでした.
天の夕鶴は前日に飲んでいたので,「金鶴」などを中心に試飲.
「金鶴 普通種」は普通にうまい.
「金鶴 本醸造」は辛口食中酒という感じで魚などに合わせたい味.
「金鶴 本醸造生酒」は生酒~~~という感じでめちゃくちゃうまい..
「金鶴 大吟醸」はストレートな大吟醸という味.
「純米 拓」は米感が強く,ピリ辛.
「純米 風和」は香り立つ柔らかな感じ.
全体的にストレートな雰囲気のお酒がおおい蔵でした.
風和は買うとして,生酒を買うかどうかでだいぶ悩みました.生酒は冷蔵必須ですし,時間が経つとすぐ味が変わるので,扱いが大変なものです.まぁ,結局買ってしまったんですけどね.
旅行前から行きたくて,予め予約した上での訪問です.
値段感を伝えておまかせにしようと思い,「だいたい皆さんいくらぐらいですか?」と聞いたら「2,000 ~ 3,000 円ぐらい」と言われたので,「では 4,000 円で」と伝え予約しておいていました.
すると,凄まじい質と量を振る舞われ,大満足でした.
あとあと,店内に「おまかせ 4 品 2,200 円」とあることに気づき,東京の物価に絶望したわけです.
あと写真に写ってないものとしては,焼き魚(4 種 5 切れ),あん肝,ちらし寿司をいただきました.
お酒は,北雪酒造の「佐渡のきりょうよし」を.
夕食を終えた頃には当然バスもなく,宿まで 30 分ほど徒歩で.
温泉入って寝るだけです.
徒歩で逸見酒造へ向かいます.コロナで試飲も見学もやっていないので,購入のみです.「真稜 山廃純米大吟醸」などを購入しました.
逸見酒造の「真稜 生酒」を飲もうと,ランチへ.
これがとてもいいお店で,めちゃくちゃ良かったです.
11 時の開店とともに伺いましたが,11:30 頃には満席になっていました.
バスとジェットフォイルとバスで新潟駅へ戻り,まあぽんしゅ館にでも行くかなぁと思ったのですが,さすがに新潟駅は GW の混雑でぽんしゅ館も入場規制をしており,断念.
駅前の立ち飲み居酒屋などで一杯飲んでから,帰郷しました,.
無事に佐渡の酒蔵を制覇することができました.天気にも恵まれ,最高の酒蔵めぐりとなりました.
購入したお酒たちが家に届くのが楽しみです.
来年はどこへ行こうか,四国? 和歌山? 上越もいいかもな.行きやすいところがなくなってきたのが悩ましいところです.
旅スナップの供養です.
ほとんど APS-C 35mm (35mm 換算 53mm)で撮りました(夜景だけ 11-24mm).最近,標準ズームが好きになれず,今回はスナップ用に 35mm,酒蔵記録用に 11-24mm,という構成で旅行しました.
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