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【学科旅行】富士重工業 航空宇宙カンパニー 半田工場 見学

事象発生日:2017-03-07

記事公開日:2017-03-07

アクセス数:5960

今日(3/7)から3/16まで学科旅行と題して,学科の主な就職先企業などを巡ります.初日は富士重工業の半田工場(愛知県)でした.主にBoeingの航空機の主翼などを生産しています.その中でB777,B777-X,B787の中央翼を組み立てている工場を見学してきました.もちろん全エリア写真撮影禁止だったので,画像は載せられませんが.

学科旅行初日,集合場所が現地という,なかなかユニークなスタートとなりました.まあ,大学生とか人によってどこにいるかなんてバラバラだし,理にはかなってるとは思います.

1.生産航空機の簡単な説明

Boeing 777 [画像出典]
Boeing 777-X [画像出典]
Boeing 787 [画像出典]

Boeing 777

国際線とかでたくさん飛んでるし,乗ったことあるよね?双発機としては世界最大.

Boeing 777-X

Boeing 777の後継機.

Boeing 787

Boeingの最新鋭旅客機.低燃費で受注が殺到しており,生産が追いついていない.

2.工場の雰囲気

工場内は写真撮影禁止でした.ネットで写真を見つけたので,それを貼っておきます.画像のままです.リベット周りで黒くなってるところがシールです.(詳細は後述)

Boeing 777 中央翼 [画像出典]
Boeing 787 中央翼 [画像出典]

去年の夏にアメリカ・シアトルにあるBoeing 787の組み立て工場を見学してきました.

雰囲気はこの動画を見るとわかりやすい.

https://www.youtube.com/watch?v=2NLVSLi0VNg

 

シアトルの工場は世界各地で作られたブロックを組み立てるだけなのに対して,半田工場は板をボックス状に組み立てる(部分組立)工場なので,もっとがちゃがちゃしていました.至る所で人間が作業(穴あけや配管取付など)していて,ハンドメイド感にあふれていました.自動車の生産ラインをイメージしていたので,少し驚きました.

 

中央翼ということで,強度と工作精度(ここで角度が1°ずれると,翼端では1mくらいはずれる.)が求められるそう.大変だなぁ...

補強材1本2000万円とか言われて,飛行機って金かかるなぁ,と.まあ,1機200億円ぐらいで,さらにその内構造部材が1/3程度なので,まあそんなもんかな,と.

 

Boeing 777-Xの工場は,まだ本格生産をしておらず,治具など生産ラインの製造中でした.外板を接続するリベットを自動で打つ機械などがあり,最新鋭の製造行程を知ることができました.

配布資料など

3.技術的なことで面白かったこと

接合部に関して,造船などでは溶接がメインであるし,去年のNHKスペシャルで戦艦武蔵が敵魚雷攻撃で致命傷を受けた理由にリベットの強度不足を上げていました.溶接のほうが軽くて表面凹凸も少なそうな気がしますが,航空機ではリベット接合がメイン.

気になって訪ねてみたところ,理由は色々あるらしいのですが,一番は信頼性の問題だそうです.溶接は熱を与えるので,そこで局所的に物性が変わったりするとかなんとか.船舶や他の建造物にくらべ,遥かに安全率が低いことも影響しているのだろうか?

最近は一部で摩擦攪拌接合という溶接技術も使われたりしているそうです.主構造にはまだ用いられていませんが.

 

航空機の燃料タンクは主翼にあります.今回,中央翼組み立てを見ましたが,アルミニウム板(Boeing 787では複合材)をリベットで結合した場所に入念にシールをしていました.

燃料タンクと聞くと,金属製の主翼の隙間にプラスチックか何かの容器を取り付けて,そこに燃料を入れているというイメージでしたが,直接そのまま注入するそうです.なので,シールはかなり厳重.

また,シールは燃料を漏らさないことも重要ですが,Electro Magnetic Effect(EME)対策(耐雷対策)も重要だそう.頭から雷が入ってお尻に抜けていく場合,電流が胴体を流れることになりますが,隙間があればそこでスパークが生じてしまい、燃料に発火する恐れがあるようです.つまり,下手に隙間を作ってはいけないのです.

 

Boeing 777などでは,中央翼の上部(乗客から見たら床)に取り付けるアタッチメントが多いので,作業効率を上げるために上下逆さまに組み上げていくそうです.しかしながら,運用姿勢で組み立てた方が最終的な精度が出やすいので,最近ではほとんどで完成時姿勢で組み立てるそうです.

4.富士重工業について,いろいろ言われたこと

航空宇宙部門は愛知県の半田工場以外に,宇都宮にもあるそう.

 

富士重工は今年で創業100周年で,それに合わせて社名を株式会社SUBARUに変更するそうです.スバルではなくSUBARUです.SUBARU株式会社ではなく株式会社SUBARUです.強いこだわりがあるそうで,カタカナではなく英語で,順番も厳守,と本社からお達しがあったそうです.

 

就職先を選ぶことに関して,まず学部卒と院卒で区別はしないそうです.ただ,学部卒で2年で院卒まで出世するのは難しいらしい.また住まいも重要で,「ちょっと感覚だけど,三菱(重工)さんはさ,大きな街の真ん中にあるけど,川崎(重工)さんはさ未開発地域の周りなにもないところにあって,会社の周りの環境で言ったら,富士重工最高だよ?なんせ通勤時間10分だからね.他とかはね,みんなでっかい寮から通ってきて1時間かけて通ったりしてるでしょ.富士重工最高です.私も宇都宮行って最高だと思いました.(原文ママ)」と某部長さんがおっしゃってました.

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