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【幾何光学】“ボケ量”の考察

事象発生日:2017-08-29

記事公開日:2017-08-29

アクセス数:3901

」の「」の続き.

前回の記事で問題提起した,「ボケ量は被写界深度だけで議論していいのか?」という疑問について,もう少し深く考察する.

この記事は書きかけです!!

暇な時にちまちま書いていきます....

1.問題の確認

「被写界深度だけでボケ量を判断していいのか?」

 

つまりどういうことかというと,「被写体距離から前方(後方)被写界深度の2倍の距離にある物体の像のボケ量は,常に等しい(一定)のか?」という疑問である.

 

これが仮に一定でないと,被写界深度のみではボケ量は語れない,ということになってしまう.

(注意しておくが,画角,被写体距離ともに固定の場合は被写界深度のみで判断して良い.)

2.錯乱円直径から推定されるボケ量の比較

」の「」で導出した式を確認しよう.

被写体距離から\(\varDelta s_{\rm{N}}, \varDelta s_{\rm{F}}\)だけズレた位置にある像の撮像素子上での錯乱円直径\(\delta\)は,

\begin{align*} \left\{ \begin{alignedat}{1} \delta & = \frac{f^2}{F(s-f)(s-\varDelta s_{\rm{N}})} \varDelta s_{\rm{N}} \\ \delta & = \frac{f^2}{F(s-f)(s+\varDelta s_{\rm{F}})} \varDelta s_{\rm{F}} \end{alignedat} \right. \tag{2-1} \end{align*}

であり,\(\varDelta s_{\rm{N}}, \varDelta s_{\rm{F}}\)を前方(後方)被写界深度\(\rm{DOF}_{\rm{N}},\rm{DOF}_{\rm{F}}\)で無次元したものは,

\begin{align*} \left\{ \begin{alignedat}{1} \delta & = \frac{f^2}{F(s-f)\left( \frac{f^2 + F c \left(s - f\right)}{Fcs \left(s - f\right)} s- \left(\frac{\varDelta s_{\rm{N}}}{\rm{DOF}_{\rm{N}}}\right)\right)} \cdot \left(\frac{\varDelta s_{\rm{N}}}{\rm{DOF}_{\rm{N}}}\right) \\ \delta & = \frac{f^2}{F(s-f)\left( \frac{f^2 - F c \left(s - f\right)}{Fcs \left(s - f\right)} s+ \left(\frac{\varDelta s_{\rm{F}}}{\rm{DOF}_{\rm{F}}}\right)\right)} \cdot \left(\frac{\varDelta s_{\rm{F}}}{\rm{DOF}_{\rm{F}}}\right) \end{alignedat} \right. \tag{2-2} \end{align*}

であった.

 

レンズの倍率は\(s \gg f\)(マクロレンズなどを除く)のとき,およそ\(f\)に比例するので,

\begin{align*} \frac{f}{s} = \rm{const.} \tag{2-3} \end{align*}

の下では,被写体の撮像素子上でのサイズはほぼ固定となる.つまり,同じ構図の写真が撮れることになる.

(もちろん焦点距離\(f\)が違えば画角も違うので,圧縮効果など,前背景のレイアウトは異なる.)

F値固定の場合

F値通しレンズの場合を考える.

(2-1)式を変形すると,

\begin{align*} \left\{ \begin{alignedat}{1} \delta & = \frac{\left(\frac{f}{s}\right)^2}{F\left(1-\frac{f}{s}\right)\left(1-\frac{\varDelta s_{\rm{N}}}{f}\frac{f}{s}\right)} \varDelta s_{\rm{N}} \\ \delta & = \frac{\left(\frac{f}{s}\right)^2}{F\left(1-\frac{f}{s}\right)\left(1+\frac{\varDelta s_{\rm{F}}}{f}\frac{f}{s}\right)} \varDelta s_{\rm{F}} \end{alignedat} \right. \tag{2-4} \end{align*}

となる.

もうすこしで\(\frac{f}{s}\)の関数に出来るかと思いきや,少しずれるようだ.

前ボケと後ボケで特徴が変わるよう.

 

さらに,定数部分などを省略して式を簡潔にすると,

\begin{align*} \left\{ \begin{alignedat}{1} \delta & \propto \frac{ \varDelta s_{\rm{N}} }{1-\frac{\varDelta s_{\rm{N}}}{s}} \\ \delta & \propto \frac{ \varDelta s_{\rm{F}} }{1+\frac{\varDelta s_{\rm{F}}}{s}} \end{alignedat} \right. \tag{2-5} \end{align*}

となる.

このことからわかるのは,前ボケに関しては\(s\)が小さい方(つまり\(f\)も小さくして寄る)がボケ,後ボケに関しては\(s\)が大きい方(つまり\(f\)も大きくして望遠にする)がボケるということだ.

 

距離スケールを絶対値ではなく割合としてみる.

つまり,

\begin{align*} \varDelta s = ks \tag{2-6} \end{align*}

とすると,(2-5)は

\begin{align*} \left\{ \begin{alignedat}{1} \delta & \propto \frac{k}{1-k} s \\ \delta & \propto \frac{k}{1+k} s \end{alignedat} \right. \tag{2-7} \end{align*}

となる.

距離スケールを割合にすると,確かに望遠のほうがボケるのだが,果たしてこれは意味があるのか....

具体的な値を入れてみないとわかりませんね(笑)

有効口径固定の場合

有効口径固定の場合,(2-1)は,

\begin{align*} \left\{ \begin{alignedat}{1} \delta & \propto \frac{1}{\frac{s}{\varDelta s_{\rm{N}}}-1} \\ \delta & \propto \frac{1}{\frac{s}{\varDelta s_{\rm{F}}}+1} \end{alignedat} \right. \tag{2-8} \end{align*}

と,ものすごく簡潔になるが,はたして有効口径が固定のレンズ,つまり焦点距離\(f\)の増加とともにF値が比例的に悪化するレンズが果たしてあるのか...,という疑問もある.

同じボケ量を得るために必要なF値

さて,いよいよ本題.

」の「

での疑問,

「例えば「EF-M18-55mm F3.5-5.6 IS STM」があり,撮影対象の像の大きさが同じになるよう画角を決めたとき,18mm F3.5と55mm F5.6のどちらのほうがボケ量が大きくなるか」

について考察しよう.

 

この問題を一般化して解くためには,

\begin{align*} \left\{ \begin{alignedat}{1} \frac{f}{s} &= \rm{const.} \\ \delta &= \rm{const.} \end{alignedat} \right. \tag{2-9} \end{align*}

の下での\(F_1\)→\(F_2\)の関数を求めれば良い.

(2-4)で\(\delta\)を消去して,

\begin{align*} & \left\{ \begin{alignedat}{1} F_1 \left( 1-\frac{\varDelta s_{\rm{N}}}{f_1}\frac{f_1}{s_1} \right) = F_2 \left( 1-\frac{\varDelta s_{\rm{N}}}{f_2}\frac{f_2}{s_2} \right) \\ F_1 \left( 1+\frac{\varDelta s_{\rm{F}}}{f_1}\frac{f_1}{s_1} \right) = F_2 \left( 1+\frac{\varDelta s_{\rm{F}}}{f_2}\frac{f_2}{s_2} \right) \end{alignedat} \right. \notag \\ \Leftrightarrow & \left\{ \begin{alignedat}{1} \frac{F_2}{F_1} = \frac{ \left( 1-\frac{\varDelta s_{\rm{N}}}{f_2}\frac{f_2}{s_2} \right) }{ \left( 1-\frac{\varDelta s_{\rm{N}}}{f_1}\frac{f_1}{s_1} \right) } \\ \frac{F_2}{F_1} = \frac{ \left( 1+\frac{\varDelta s_{\rm{F}}}{f_2}\frac{f_2}{s_2} \right) }{ \left( 1+\frac{\varDelta s_{\rm{F}}}{f_1}\frac{f_1}{s_1} \right) } \end{alignedat} \right. \tag{2-10} \end{align*}

となる.

\(s\)が消えないので,その都度計算しないとだめっぽいね....

まあ,後ボケに関しては望遠のほうがボケるのという事実はここからもわかる.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

7.出典サイト

FUJIFILM. 用語・技術解説. Retrieved August 15, 2017, from http://fujifilm.jp/business/material/cctv/info/techguide/

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