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【4K放送】4K放送について,いろいろ知ってしまったこと

事象発生日:2018-05-24

記事公開日:2018-05-28

アクセス数:71578

自宅録画サーバーの不具合対応で4K放送についていろいろと調べていると,4Kの闇?が見えてきたので,まとめた.

 

個人的に,BSの画質が悪化するのは許せない....

4K放送とかいらないよ....

 

トップ画像の出典は

1.4K・8K放送とは

4K・8K放送

4K・8Kと聞くと,「え?画面解像度が増えるだけでしょ?」って思う人が多い印象を受けるが,実は,

高解像度化
広色域化
高フレームレート化
多階調表現
輝度のハイダイナミックレンジ化

と,高画質5要素全てを引き上げる技術である.

高画質5要素
4K・8Kの魅力

ちなみに,"Full" HDって...

たしか(要出典),HD(HDTV,高精細度テレビ放送)自体に1920x1080が定義されてるのだけど,初期にでたテレビがしょぼくて1280x720をつかっていて,いざ1920x1080を出すときに1280x720との差別化で,"Full" HDって言うようになったと記憶している.

 

めんどくさいね.

2.BS右旋帯域再編

BS右旋帯域再編とは

BS右旋帯域再編とは4K・8K放送のために,既存のBS放送の画質を下げ,またチャンネルを再編しようという試みである.

 

で次のように説明されている.

 現在、BS放送では、日本が使用できる全ての周波数を用いて、2Kの放送を行っているため、このままでは4K放送8K放送を追加することは出来ません。このため、新たに「左旋偏波」という電波を用いて、これまでの放送(右旋偏波)とほぼ同じ周波数帯に重ねて送信する方法が計画されました。左旋偏波では、当初4K8Kを送信する予定でした。しかし、4K8Kをこの方法で送信する場合、既設のパラボラアンテナのほとんどが左旋偏波を受信できないことから、4K8Kの普及が遅れる恐れがありました。

 そこで、4K8Kの迅速な普及を図るため、既存の2K放送の右旋周波数を再編し、一部の4K放送を右旋で送信することとしました。これは、(1)一部の既存の2K放送の使用する帯域を削減し、(2)発生する隙間を用いて周波数を組み替え(再編)することにより、周波数を確保(第7ch)するものです(図表参照)。これにより7chにて、4Kを3番組送信できるようになります。また、現在、「4K・8K試験放送」に用いている周波数(第17ch)も試験放送終了後に4K放送に使用しますので、7chと17chにて合計6番組の4K放送を送信できることとなりました。

 

図で表すとこんな感じ.

BS右旋帯域再編

 

スケジュールは下図のようになっていて,この間に録画機をはじめとして,いろいろな不具合が発生することが予想される.

BS右旋帯域再編 スケジュール

BSの画質が大幅に低下

まず,テレビを見ていてすぐわかるのが,画質の低下.

 

 これまでNHK BS1/BSプレミアムとBS朝日、BS-TBS、BS日テレ、BSフジ、BS Japan(帯域削減は後日)の民放5局では、地上デジタル放送より高解像度な1,920×1,080ドットの放送が行なわれていた。しかし、帯域削減に伴い、NHK BSプレミアムを除く各局が、地デジと同解像度の1,440×1,080になる見込み。

とある.

そう,(NHK BSプレミアムをのぞいて)BS放送がFull HDではなくなるのだ.

NHK BSプレミアムについては,解像度はそのままだが,ビットレートは落ちるので,目視でもブロックノイズの増加が確認できる.

 

総務省の資料によると,こういうことらしい.

 

 放送サービス高度化推進協会(A-PAB)によれば、「帯域削減にあわせて、画質への影響を減らすべく、エンコーダの設定変更などを行ない、主観評価では違いが判らない品質にした」とのこと。

にあるが,見た目で明らかにわかるんですが...

一般市民バカにしすぎでしょ....

ちなみに,TVのピクセルって正方形じゃないって知ってた?

ちょっと脱線して小話を.

 

(地デジはもともとそうだが,)1440x1080っていう数字に違和感を感じません?

これ,16:9じゃなくて4:3なんですよねw

 

実はピクセルアスペクト比という概念があり,映像の1ピクセルを長方形と定義することができる.

 

なぜこのようになったかは,多分ブラウン管テレビ,地上デジタル放送などの移行で,走査線の数やデータ量の制約を受けたためだと推測される(要出典).

 

他にもインターレースなど,テレビ放送の規格には興味深いものが多い.

自宅録画サーバーを運用していると,こういうことに無駄に詳しくなってしまう....

周波数再編によってチャンネルが変えられた

自宅録画サーバー勢にとってはこれが一番の問題.

詳細は,関連記事「」を参照されたいが,これによってある期間NHK BSプレミアムの録画に失敗した.

つらい....

BS右旋帯域再編によるチャンネル再編

3.4K放送,いろいろやばくね...

左旋円偏波の導入

,によると,

 現在、BS放送では、日本が使用できる全ての周波数を用いて、2Kの放送を行っているため、このままでは4K放送8K放送を追加することは出来ません。このため、新たに「左旋偏波」という電波を用いて、これまでの放送(右旋偏波)とほぼ同じ周波数帯に重ねて送信する方法が計画されました。

「右旋」と「左旋」

隣接する奇数チャンネルと偶数チャンネルの電波の干渉を避けるため、奇数チャンネルと偶数チャンネルで電波の進み方を変えている

と説明されている.

4K・8k放送のための帯域を確保するために,従来のBS放送の隙間の帯域を整備するという.

そして従来のものとの干渉を避けるために,偏波方向を反転させる模様.

左旋円偏波の導入

買い替えの必要な機材

既存のアンテナではそもそも新たに追加される左旋円偏波は受信できないのでアンテナの買い替えの必要性は自明である.

 

しかし,それだけではないようだ.

 

,によると,

我が国で市販されている衛星放送受信機は、取り扱いを容易にするため、アンテナで受けた電波(12GHz帯)を、低い周波数(中間周波数(IF)~2GHz帯)に変換し宅内に引き込む。

左旋の電波は、BS・110度CSアンテナで受信した後、従来の右旋の信号より高い周波数に変換されて宅内の配線で伝送されます。このため、左旋の放送を視聴するためには、アンテナ交換に加え、高い周波数(2.2GHz~3.2GHz)の信号を伝送できない機器は交換する必要があります。

と,建物側の設備もまるまる一式すべて,新しい周波数帯にも対応するものに買い換えないといけない.

 

詳細は次節「」で述べるが,古い同軸ケーブルやブースターを使うと,いろいろなものと干渉してしまう.

4K・8K放送の広報
交換・工事の必要性

周波数のバッティング

さてさて,ようやくこの記事の本題.

 

放送波を建物内へ引き込んだ後の中間周波数電波の周波数帯がやばい.

 

とりあえず,から引っ張ってきた資料を.

 

 

携帯電話や欧州宇宙機関(ESA)が運用する地球観測衛星SMOS(Soil Moisture and Ocean Salinity)の地球観測への混信の発生
小電力データ伝送システムとの干渉
ISMバンドとの干渉

 

これ,やばない?

 

たしかに,ちゃんと設備を更新して,中間周波数帯を漏らさなければ問題ない.

けど,こんなお金のかかること,ちいさなマンションや,べつにテレビにこだわらない家庭がきちんとやるとも思えない.

 

 

ESAの観測衛星への外乱は国際的な問題になりうるし,

小電力データ伝送システム,つまり2.4GHz帯は,無線LAN,Bluetooth,ラジコン,そして電子レンジと干渉する.

ISMバンドにいたっては,医療機器に広く使われている.

 

電子レンジつけたので録画番組がノイズだらけになった,とか,勘弁してくれ....

 

 

BSの画質はさがるわ,今後大規模な混線が予想されるわ,4K放送なんていらないよ...って気分.

自宅録画サーバー勢としては,録画容量がでかくなって,エンコードにもマシンパワーが必要になる4K放送は,あまりいいことがない.

蛇足

総務省の資料をあさっていると,おもしろいものを見つけてしまったので,引用しておく.

 BSデジタル放送は,WRC2000 で国際的に調整された結果,日本は23チャンネルまでの奇数番号のトランスポンダを使い,韓国は偶数番号のトランスポンダと定められており,隣接衛星からも護されている。一方,110度CSデジタル放送の周波数帯は,国際的な調整がなく,いわば「出したものがち」で「隣接衛星からの/への干渉があったとしても,2国間での調整」となっているし,現在運用できているからと言って将来も運用し続け得るかは不明確である(既得権と両国間の調整と言う手法はあるにせよ)。

 現実に,BSデジタル放送では,干渉に弱い 8PSK 方式で伝送できているが,110度CSデジタル放送は隣接の KoreAsAt からの干渉を九州地区で受ける為,妨害に強い 3/4 QPSK でしか送出できない。この結果,伝送容量も,BSデジタルでは 約 1.1Mbps/スロットあるのに,110度CSデジタル放送では約0.8Mbps/スロットしかない。

 

こんなん,笑うしかないよなぁ....

4.出典

総務省 4K放送・8K放送 情報サイト. 4K8Kとは 4K8Kの魅力. Retrieved May 24, 2018, from http://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ictseisaku/housou_suishin/4k8k_suishin/about.html
総務省 4K放送・8K放送 情報サイト. BS右旋帯域再編とは -新4K8K衛星放送開始に向けたBS放送用周波数の再編-. Retrieved May 24, 2018, from http://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ictseisaku/housou_suishin/4k8k_suishin/bs_restructuring.html
総務省 4K放送・8K放送 情報サイト. 新4K8K衛星放送を受信するには. Retrieved May 24, 2018, from http://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ictseisaku/housou_suishin/4k8k_suishin/bs_how-to.html
総務省 4K放送・8K放送 情報サイト. よくある質問 6章 技術的課題. Retrieved May 24, 2018, from http://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ictseisaku/housou_suishin/4k8k_suishin_questions06.html
総務省 事務局. 4K・8Kに関する周知・広報戦略(案). Retrieved May 24, 2018, from http://www.soumu.go.jp/main_content/000471161.pdf
総務省 事務局. 放送を巡る諸課題に関する検討会 放送サービスの未来像を見据えた周波数有効活用に関する検討分科会衛星放送の未来像に関するワーキンググループ(第2回)ヒアリングご説明資料. Retrieved May 24, 2018, from http://www.soumu.go.jp/main_content/000536654.pdf
総務省 事務局. 衛星放送用受信設備に関する技術的条件の検討について. Retrieved May 24, 2018, from http://www.soumu.go.jp/main_content/000443389.pdf
総務省 事務局. いよいよ 2018年12月1日 新4K8K衛星放送 が始まります!. Retrieved May 24, 2018, from http://www.soumu.go.jp/main_content/000520406.pdf
総務省. 寄せられたご意見と総務省の考え方. Retrieved May 24, 2018, from http://search.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000041289
Simple Life in the digital age. ChinachuでBSジャパンが録画できない場合の対策(2018年4月16日以降). Retrieved May 24, 2018, from http://www.digital-den.jp/simplelife/archives/4161
EIZO. よくわかる、HDR徹底解説! HDRとは. Retrieved May 24, 2018, from http://www.eizo.co.jp/eizolibrary/color_management/hdr/index.html
AV Watch. NHK BS1などBS放送の解像度が横1,440ドットに。新4K/8K放送に向け帯域削減. Retrieved May 24, 2018, from https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1101216.html
パナソニック松愛会. デジタル放送とハイビジョンの仕組み. Retrieved May 24, 2018, from http://www.shoai.ne.jp/hirakata-s/it/digitaltv/digital_hoso.html

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コメント

賢者   [2020/06/06 07:34]

初めまして。2018年12月1日から8K4K放送が開始され、私も4Kレコーダーを導入していたため初日から視聴できました。

安価に入手した55インチのディスプレイが4K解像度だったことやBSを視聴できる環境だったため、費用は4Kレコの10万円のみで、価値観によって様々でしょうが、この費用で世界最高画質の番組を常時、視聴できるのですからプライスレスと思っています。

2020年6月現在、2台目の4Kレコーダーも導入しましたが、画質や機能が向上して値段が下がり買い求めやすくなったので、ある程度、映像や音響に関心のある者にとって、現在の環境は悪くないものと思っています。

肝心の4K放送の内容については、民放がBS放送とほぼ同一、NHKは元々4K収録番組が多かったせいか独自編成で放送していますが、さすがに底をついたのか地上波やBSで放送した番組の再放送が目立ち、この点については評価が分かれるかもしれません。

4K8K放送とも2018年12月1日から本放送とは言いながらも、現実としては少し前のめりな試験放送という位置づけで、特に8K放送に至っては放送時間が短く番組も寄せ集め状態ですから、実際は完全な試験放送状態ですから、8K視聴機材が比較的高額なことと、8K放送のもう一つの売りである22.2chサラウンド音声を完璧に再生可能な機材が市販されていないという大問題があって現実的には事業者向けの放送フォーマットを私達の受信料で構築してしまったNHKなど断罪されるべきでしょう。

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